WordPressには、有料無料問わず、さまざまなテーマが存在します。
また、テーマ変更もボタンひとつで変更が可能ですが、それにともなう大きなリスクがありますので、むやみにテーマ変更はしてはいけません。

この記事は、WEB&SEOマーケティング歴23年の専門家、YASUKO SATO ACADEMY講師の佐藤靖子が解説します。
WordPressテーマ変更で起こる3つの重大なSEOへのリスク
基本的に、Wordpressは一度運用を始めると集客や収益化が可能になってきますので、途中からテーマを変更するのはかなりリスキーだと心得てください。
内部構造がガラリと変わる
内部構造とは、PHP、html、cssなどのことで、テーマそれぞれ独自の設計で作られています。
テーマ自体はボタン一つで変更は可能ですが、グローバルメニューやレイアウト、文字の大きさなどはガラリと変わってしまいます。
大量にページを作りこんでいる場合は、調整作業が膨大になりますし、内部構造がガラリと変わるため、Googleの検索順位(SEO)にも影響を及ぼします。
内部構造、htmlもGoogleは判断しており、テーマを変えることで順位が上がった、という声もある一方で、順位が下がったという結果も報告されています。
そのため、ドメイン運用歴が長く、順位も比較的高いとか、問いあわせや資料請求などが機能しているケースでは、テーマ変更はしない方が得策です。
有料テーマの独自仕様・機能は反映されない
WordPressが提供している無料テーマは大きな差はありませんが、マーケティング機能は備わっていませんから、自分でプラグインをインストールして組み立てる必要があります。
ところが、プラグイン同士が干渉したり、テーマと相性が悪かったり、運営元がサポートを停止してアップデートがされないなど、様々な問題が出てきます。Wordpressに詳しい人でないと、不具合の原因を特定できずに修復できなかったり、素人判断でいじって壊してしまう、ということも考えられます。
ですので、一般的にはSEOやマーケティング機能が充実した有料テーマを使って制作することになりますが、テーマはそれぞれ独自の機能・仕様で作られており、テーマを変更するとそれまで使っていた機能が使えなくなる、あるいはエラーや不具合が出る、というリスクがあります。
バックアップデータが上手く戻らない
WordPressにはバックアップ用プラグインがあり、比較的簡単にバックアップデータを取得することが可能です。
またサーバーによってはバックアップ機能があるものもあります。(エックスサーバーはデフォルトでバックアップ機能付き。ロリポップは有料にて自動バックアップ機能あり)。
ですが、ボタンひとつでバックアップデータに戻すことができるはず…なのに、まれにうまく機能せず、元のデータに戻らないという致命的な状態になってしまうケースがあります。
WordPressに詳しくない方は、おそらくこの時点でお手上げになるはずです。
回避策としては、別ドメインにクローンをつくった上で作業を開始するのが良いでしょう(とはいえ、普通の方はクローンも作れないと思いますが・・・)
サブドメインやサブディレクトリは無料で作れますが、これらにクローンを設置することはおススメしません。
リニューアル完成後に、サブドメインやサブディレクトリに作っておいたクローンのデーターベースを削除する際に起こる不具合やリスクを失くすためです。
まれに、せっかく作ったメインサイトのデーターベースも削除してしまった、という人もいるので、様々な面倒を回避する上でも、テーマ選びは慎重に行う必要があります。
個人運営のテーマは手を出すべからず
有料無料を問わず、永続的にテーマを利用し続けられることが資産サイトとしてのリスク回避となります。
無料テーマは、個人のエンジニアが提供しているケースが多く、数年でサービス提供、アップデート停止、ということはよくあります。
また、有料テーマであっても会社組織ではなく個人が運営しているようなものは、いつ運営停止になるかわかりません。
過去に、SEOに強いと評判を呼んだ有料テーマがサービスを停止し、そのテーマの利用者はテーマ変更に翻弄された、という事例がありました。
会社組織による運営のテーマの場合は、経営者が変わったり、病気になったり死亡したとしても、サービスが停止になるリスクは低いです。
また私個人は、日本製のテーマは使用しません。理由は、海外のプラグインとの相性が悪かったり、API連携に問題があったりする可能性が高いからです。
プログラミングもマーケティングも、日本はかなり遅れているので、欧米の有料テーマ運営元から代理店契約をして利用しています。
初期段階の計画が重要
サイト制作の初期段階で、SEO、デザイン、WEBマーケティング機能などあらゆる側面から目的に合わせたテーマ選定が重要になります。
とくに、WEBマーケティング戦略に詳しくないデザイナーやディレクターは多いのが実情で、出来上がったWEBサイトはただ美しいだけで機能としては素人並み、というケースは結構見受けられます。
たとえば、WEB制作会社に「アップセル、ダウンセル、OTOを実現したい」と質問したとして、その仕様の可否どころか、アップセルやダウンセルといったマーケティング用語さえ知らない、ということがほとんどです。
そのため、多くの制作会社の担当者も、素人と同じようにGoogleで「SEOに強い テーマ」などと検索してヒットしたテーマを薦めてくる、などといったことが普通に行われています。
ただし、定期的なリニューアルは必須
とはいえ、日々WEB業界は進化しています。
たとえば、インターネットが普及した初期の頃は、今のような作り方とはほど遠い、「テーブルレイアウト」と呼ばれる表組に画像を割り当ててデザインする作り方がされていました。
その後、スマートフォンが登場し、パソコン用とスマートフォン用の2種類のサイトを持つことが主流の時代もありました。レスポンシブサイトがちらほら出てきましたが、当初はまだ工数が多すぎて費用対効果が見込めないとか、表示速度が遅くなるなどのデメリットの方が大きく、レスポンシブサイトに完全に以降したのはxhtmlとCSS3が普及してからです。
今はレスポンシブデザインといって、ひとつのファイルでパソコンからもスマートフォンからも最適化して表示される作り方が主流です。また、Googleがレスポンシブサイト以外は評価を下げる、という報告を出していて、SEOの観点からレスポンシブサイトへ切り替える必要に迫られています。
こんな風に、時代とITの変化に伴い、WEBサイト制作やSEOも柔軟に対応していく必要があり、その時その時のベストな方法でリニューアルしていく必要があるのです。
ですから、一度作ったらおしまい、ということではない、ということを念頭に置いておきましょう。
ただ、現在のレスポンシブデザインは比較的完成形に近いのかな、とも感じています。
今後の大幅の対応が必要となるのは、新しいIT革命によりスマートフォンに変わるガジェットが開発されたときではないでしょうか。
WordPressのテーマのほとんどがレスポンシブ対応になっていますので、安心して運営できます。
後々の運営を考えた施策を
WordPressは、ウィルス侵入などの脆弱性に対抗するべく常にアップデートを行っています。Wordpressがアップデートを行うたびに、テーマやプラグインもアップデートが行われます。
WordPressで起きる不具合のほとんどは、これらのアップデート絡みによるものです。
プラグインのサービスが停止していてアップデートに対応せず、重大なエラーを引き起こすというケースがほとんどです。
ですから、プラグインは極力増やさず、かつ会社組織で運営する盤石な組織で作られたテーマやプラグインを運営することを心がけましょう。
また、機能性が高く収益化が可能なテーマやプラグインは、有料のものがほとんどです。
ビジネスをする上で、WEB関連費は投資と考え、無料にこだわるのはおすすめしません。
無料のテーマやプラグインを組み合わせて機能的に使いこなすことができるのは、PHPのカスタマイズができるエンジニアくらいでしょう。
ですが、開発の時間とコストを考えるなら、すでに定評のある有料プラグインやテーマを利用した方が対費用効果は高いはずです。
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