最近、「キャンペーンをやるから紹介してもらえませんか?」というメッセージが届くということがありました。
起業して一番の悩みどころは集客。集客にはお金も時間も労力もかかります。だからオンライン・オフライン問わず、最も難しいのが集客ともいえるでしょう。
ですので、集客を「紹介してもらえませんか?」と人に頼むことで、自分のことを知らない新しいお客様を呼ぶことができると考えたプロモーション手法なのでしょうが、ブランディングを長年やってきた私からすると、やらない方がいい手法。
おそらく、もって数か月。よくて数年でしょう。
いっときは集客できるかもしれませんが、それ以上に大きなリスクを孕んでいるので、私の受講生やメルマガ読者さんにはおすすめしていません。
なぜなら、ブランディングを壊す上に、信頼を根底から失ってしまうからです。
ですが、この紹介マーケティングはきちんと倫理観と思いやりを持ってやるなら全然アリ!
その「方法」を間違えると、あなたのブランドは根底から壊れてしまうので、その理由と上手くやる方法をこの記事でご紹介します。
ブランドを失墜させる前に、この記事を読んだあなたはすごくラッキーです。

BtoB、BtoCのブランディング、Webマーケティング歴25年の私がその根拠と理由をしっかりお伝えします。
紹介マーケティングとは?

自分ひとりでは集客をするのは凄く大変です。
大変だから、皆広告をつかったり、SNSで日々頑張って投稿したり、ブログを書いたりして地道にリストを集めていくのです。
リストを集める、というのはそもそも、時間・労力・お金がかかるものなのです。
そこでSNSで繋がっている人や、自分のFBグループ、あるいは自分が所属しているグループに「今度、こんなイベントをやります。もし良かったら興味のありそうなお友達と一緒にご参加ください」とお願いするのです。
もし、たとえば自分のFBグループにも、友達にもなっていない人だったとしても、知人を介せばその知人の友人が参加してくれるかもしれない、ということ。
要は、昔タモリさんの番組「笑っていいとも!」の友達を紹介してもらう、というアレですね。
紹介マーケティングのメリット
紹介マーケティングのメリットは・・・
- お金がかからない
- 自分のことを知らない顧客も集客できる
- 露出度が高まる
という点です。
紹介マーケティングのデメリット
紹介マーケティングのデメリットは、使い方を誤ると・・・
- すぐに飽きられる
- 信用をなくす
- ブランドが壊れる
という点です。

では、詳しく説明していきましょう!
間違いだらけの紹介マーケティング6つの理由

常識的に考えれば、至極納得いくことばかりのはず。
NG紹介手法① 普段交流がほとんどない人にお願いする
普段からSNSでコメントをしたりイイネをしあったりしている仲だったり、メルマガを購読してくれている人だったり、あなたがどういう人かを知っているとか、価値観を共有できているとか、どんな商品を売っているのかとか、実績や実力みたいなものを知らない人に紹介を「手土産なしにお願いする」って、非常に失礼です。
FBで友達になってはいて、お互いの存在を知ってはいるものの、普段自分の投稿にほとんど興味を示さず、イイネやコメントもしない人から、突然メッセンジャーから「あなたのリスト、FB、インスタ、Twitter(つまりすべてのメディア)に紹介してくれ」とメッセージが来るとします。
なんで?あなたの商品を私が紹介しなくちゃいけないの?
そう思いませんかね。
NG紹介手法② WinWinじゃない
お互いを応援することは大切なことです。だから自分のお願いだけじゃなく、他の人の応援をすることは、まわりまわって自分にも返ってきます。
でもそれは、相手が「Takerではない」ということが大前提。
誰かに紹介を頼む、ということは、わざわざ相手に行動してもらうわけです。
その際、相手の大切な時間や手間を奪うわけです。
それなのに何も提案せずに、ただ「紹介してくれ」というのは、あまりにも無礼です。ですから、紹介してもらうためには何かしらの御礼をしなくてはいけません。
お互いにWinwinの提案をする、ということですよね。
相手がメリットを感じなければ、ただ「なんかすごい失礼なメッセージが来た!」としか思われません。
NG紹介手法③ 紹介する内容を伝えない
相手に「今度やるキャンペーンを紹介してください」と頼んでいるのに、どんな内容を紹介するのか、詳細がわからないのに、人に推薦なんかできません。
一方的に自分のイベントキャンペーンにかける思い、情熱を書いても、それは相手にとってはまったく関係ないことです。
ですから、紹介してもらう先のまだ見ぬ見込み客の方たちに、どんなベネフィットがあるイベントやキャンペーンなのかを伝える必要がありますね。
誰かにお願いをするのなら、どんな内容のものなのか伝えるための紹介ページを作っておくといいですね。
NG紹介手法➃ 用意した紹介文をコピペして使ってくれ、と頼む
紹介してください、と頼んでも、多くの人はどう紹介していいかわからない人が多いですよね。
紹介文を考えるだけでも時間を要しますから、そこで「自分が紹介してもらいたい文章をあらかじめ用意して、それを丸々コピペして紹介してもらう」という手法をよく見かけます。
でも、見た人は「あれ?この文章、他の人も書いてたな」って思いますよね。そこで「やらせ」ということがわかってしまいます。
でもこれ、すでに社会問題となった「ステルスマーケティング(通称ステマ)」といいます。
この騒動で浮上したキーワードが「ステマ(ステルスマーケティング)」。レーダーに探知されにくいステルス戦闘機のごとく、消費者に広告と悟られないように宣伝する手法で、要するにやらせ、サクラだ。 ただ、ひと口にステマといってもその悪質度にはレベル差がある。食べログ事件ではやらせを持ちかける業者も依頼する飲食店も、消費者を欺く行為であることを認識しているので悪質度は高い。(引用:日経XTECH)
ステマのことを知っている人は、その時点でリスクの高い誘いに自ら乗るなんてことはしませんし、こういうお願いをされた時点で、その人への信頼はゼロになりかねません。
自分が経験したことも、買ったこともない商品やサービスを、自分の言葉ではなく一方的に用意された文章を丸々コピペして紹介するというのは、見る人が見れば倫理観に欠けた、顧客のことを丸で考えていない行為に映ります。
ましてや、起業家の無料キャンペーンは高額商品を販売するためのものがほとんどですから、内容もわからず気軽に紹介した行為が、自分の評判も下げてしまいかねないというリスクががあります。
NG紹介手法⑤ 「リストに送ってくれ」と頼む超非常識な致命的パターン
100歩譲って、協力できるのはSNSまで。Facebookやインスタグラム、Twitterとか。それでも、知らない人の商品を紹介するなんてことは私はしたくありません。(ステマやってる人、という印象を与えるから)
実際にあった紹介マーケティングで驚きのあまりひっくり返ったのは
「あなたのメーリングリストにも送ってくれ」
というものでした。
前述しましたが、メーリングリストというのは極めて労力、時間、お金をかけて集めた自分の「見込み客」です。
そしてその見込み客の方たちに、自分の価値観、ミッション、理念、自分の商品やサービスでどう見込み客にベネフィットをもたらすのか、ということを
じっくりと時間をかけて育てるのが本来のメーリングリストです。
そうやって、じっくり、ゆっくり温めているメーリングリストに、
「あなたのリストをタダで下さい」
と言っているようなもの。しかも、お金も時間も労力もかけず、御礼もせずに、です。
この時点で、こういうお願いをする人はどんなに表向きは素敵なミッションを掲げていても、テイカーである確率は非常に高いです。
テイカーとは、自分から何も与えずに搾取だけする人のこと。
協力しますよ!と言っておきながら、実は何もやってくれない人です。
実際、私は「自分のプロモーションと被るので、今回は自分のプロモーションに集中したいと思います。頑張ってくださいね! 別のタイミングでぜひご協力させてくださいね。あと、どんな内容かわからないと私のお客様には責任をもって紹介することはできませんので、次回は詳細ページを付けていただけると助かります」
と丁重にお断りしたところ
「了解しました~。」
という一文が送られてきました。
この返答で、私の中ではテイカーだ、という確信を持ちました。
なぜなら、テイカーではなければ、私の返信でかなーり失礼なことをお願いした、ということに気が付くはずですし、フォローも入れると思うからです。
「〇〇さんもプロモーションをされるんですね。大変失礼しました。
では、〇〇さんのご紹介もぜひやらせていただきたいと思います。対談ライブを一緒にやりませんか?」
と提案をするとか、あるいは
「承知いたしました。〇〇さんがプロモーションをする際には、ぜひご協力したいと思いますのでお知らせくださいね。SNSでご紹介させていただきます」
などと返信するでしょう。
「了解しました~」という短文だけ送りつけてくる、というのは、
ただの宣伝拡散要員としか見ていない、としか思えませんでした。
もちろん、そのお願いメールも、おそらく大量に同じ文面を送っているであろうと思われるようなコピペ文とひと目でわかるものでした。
NG紹介手法⑥ すぐに飽きられる
これまで書いてきたように、顧客視点ではなく、ただ自分の私利私欲だけの欲求を相手に求めるという時点でかなりNGですが、もうひとつ大事なことは
「小手先の手法は、すぐに廃れて飽きられる」
ということです。
たとえば、このステマ式紹介マーケティングで誰かがかなり集客に成功し、大きな収益を得られたとしましょう。
その成果を宣伝すれば、多くの人が飛びつきます。
そして同じことをし始めます。
自分に都合の良い宣伝文を書き、それを送ってくれと手当たり次第にメッセージを送り頼む、と。
するとどうなるか。
手の内がすぐにバレますよね。
「ああ、あの手法ね、全然いいものかどうかもわからないのに、コピペして紹介してもらうアレでしょ」
と思われてしまいます。
しかも、何度も色んな人から「紹介してほしい。コピぺしてSNSやリストに送ってくれ」というお願いのメッセージが届いたらどうでしょう。
メンドクセー、ってなりません?
またあのお願いが回ってきた!ってなりません?
つまり、本質的なマーケティングでなければ、長続きしません。
これらの紹介マーケティング手法がNGな理由
一言でいうと、ブランドが壊れ信用を失う、ということです。
ブランディングで最も重要なのは「一貫性」です。
たとえ、あなたが情熱を語り、お客様に価値を提供するために努力をしていると言葉で伝えていても、これらの間違いだらけのマーケティング手法は全く逆の行動をしていることになります。
この「言動の不一致」が相手に不快感、違和感を感じさせ、
なんとなく胡散臭い、嘘っぽい、という印象を与えてしまうのです。
言葉でいくら素敵なことを語っても、行動にはあなたの本心が現れます。
今回紹介したNG集を読んでいただければわかると思いますが、「自分のお金儲けのことしか考えていない」という本心が行動に現れてしまうからです。
普段当たり前にやっている行動だから、疑問を持つことさえありません。
ですから、これは自戒もこめて、日々自分の行動、言動に一貫性を持つように努力することが大切ですね。
ブランディングは、その人そのものです。
とくに無形の商品を販売するコーチ、コンサルタント、セラピストなどは
あなたの価値観、哲学、生き方そのものが商品になるのですから、
顧客になりそうな人には真摯に対応するけれど、そうじゃない人にはぞんざいな態度、ということでは真のブランディングは完成しません。

以上が「やってはいけない紹介マーケティング手法」の理由でした。
では次に、どうすれば安全で効果の高い紹介マーケティングができるのか、をお話します。
おすすめ紹介マーケティング手法5選

自分がされたら嫌なことを想像して、嫌だなぁと思ったことを相手にはしないことです。これが基本。
お金を稼ぎたいという気持ちが前面に出てしまうと、相手の気持ちより自分、相手の立場や状況よりも自分、という風にテイカーとして見られてしまいます。
ここでは、安全な手法(世界でも実践されている手法)をお伝えします。
おすすめ紹介手法① 自分の顧客(受講生)に紹介してもらう
低単価商品であろうと、高単価商品であろうと、一度あなたの商品を買ってくださった方は、あなたの商品の価値を知っています。
商品を購入してくださったことがあれば、あなたの商品を自分の言葉で紹介しやすいですよね。
あなたの商品やサービスを購入してくれて実績を出してくれたり、成果が出たと感じてくれた人なら進んで紹介してくれるでしょう。
理想的にはこちらからお願いしなくても紹介してもらえるようになると最高ですよね。そのためには日々研鑽とブラッシュアップが大切です。
おすすめ紹介手法② 先に御礼を渡す
「紹介してくれたら、これをあげます」ではなく、
先に相手が喜ぶプレゼントを渡しましょう。
そして相手がもらうと喜んでもらえるようなもの。ささやかなものでもかまわないのです。
ここでお渡しするプレゼントは、PDFや音声、動画などパソコンでダウンロードできるものがおすすめです。
先にプレゼントをお渡しし、そしてその後のメールで「プレゼントはいかがでしたか?もしすごくタメになった!と思ってくださったら、あなたのお友達にぜひ紹介していただけないでしょうか?」
とお願いします。
このとき、当然紹介してくれない人もいますが、それでいいのです。あなたは、あなたの信頼を築いていくことを優先し、あなたのファンを増やしていけばいいのです。
おすすめ紹介手法③ 「SNSで紹介」が条件のワークショップやイベントを企画する
上の②とは一見矛盾するようですが、違います。
たとえば、有料級の価値あるワークショップやイベントを企画し、その参加費の代わりに「SNSで紹介していただくことが条件」とします。
この場合、紹介してでも参加したい!と思える魅力的な内容を提示することが重要です。価値提供をしっかりするということを約束した上で、紹介したいと思った方に参加してもらいます。
このメリットは、あなたの本当のファン、理解者、応援者を集めることができるということです。
SNSで紹介しなくちゃいけないならいいや、と思うのは、
たとえばあなたのイベントに興味がない、タイミングが合わない、というだけの理由かもしれませんし、興味がないのかもしれません。
でも、「無料だったら参加する」という冷やかしやテイカーは避けられます。
おすすめ紹介手法➃ アフィリエイトを利用する
アフィリエイトとは、紹介してくださった方に紹介料をお渡しするマーケティングのひとつです。
日本のアフィリエイトは、非常に真摯に真面目に取り組んでいる人もたくさんいますが、一方でお金儲けだけのために「良いことしか書かない」「虚偽を書いて売ろうとする」「買ってもいないのに、嘘のレポートを書く」というアフィリエイターもいるため、良い印象を持っていない人もいるかもしれません。
でも、日本の大手上場企業もアフィリエイトは積極的に利用しているマーケティングです。
そして、まっとうなアフィリエイターは「個人の広告代理店」という高い意識を持って取り組んでいます。
あなたの商品やサービスに関するブログ、Youtube動画、メルマガなどを通しアフィリエイターが紹介し、紹介リンクから購入者が出ると、アフィリエイターにあらかじめ決められた額あるいはパーセンテージの報酬が入る、という仕組みです。
あなたの商品やサービスを通しアフィリエイトを行いたい場合、Systeme.ioというマーケティングオートメーションツールを使うと実装できます。
あるいは、Wordpressでアフィリエイトのプラグインをインストールしても可能ですが、こちらは専門的な知識がないとちょっとハードルが高いかもしれません。
Systeme.ioなら、無料プランから始められますし、ホームページやブログも作れますから興味のある人は無料プランで登録してみましょう。
英語ツールですが、Googleの翻訳機能を使えばページまるごと日本語化することができます。
Google翻訳機能の使い方については詳しく記事にしていますので併せてご参考にしてください。
おすすめ紹介手法⑤ メルマガ、LINEなどで繋がっている人に積極的にお願いする
自分のメルマガやLINEに登録してくださっている方は、あなたの商品やサービスに興味を持ってくれている人です。
そして、普段からメールやLINEを通して信頼構築をしているのであれば、積極的に「もしよろしければご紹介お願いいたします」と伝えましょう。
嫌なら紹介しないけれど、あなたに共感、共鳴してくれている人なら進んで紹介してくれるでしょう。
普段から「この人のためなら紹介してあげたい!」と思えるような行動、価値提供、信頼構築をしておくことが大切ですね。
まとめ
紹介マーケティングは、正しい方法で行えば非常に大きな成果を生みますが一歩間違えるとブランドと信頼の両方を一気に失う、危険なものになります。
一方的に相手にお願いする、あらかじめ用意した文章をコピペしてもらう、相手のメーリングリストに流すようにお願いする、相手に御礼をしない、などといった行為はNGです。
長くビジネスを続けていくためには、お客様以外の人にも真摯かつ丁寧に接しましょう。自分がやられて嫌なことは、相手にもしない、というのはビジネス以外でも同じですよね。
佐藤靖子アカデミーでは、今回この記事で紹介した安全で効果の高い紹介マーケティングを「マーケティングオートメーションマスタークラス」というコースの中で教えています。
既存客やメルマガ読者へ自動で紹介マーケティングを行う手法についてお伝えしています。
小手先テクニックやではない、ビジネスの本質を学び、真の自立した起業家を育てることが私のミッションです。
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