起業してみて思ったのは、起業塾選びは一種の博打だ、ということ。
そもそも、起業塾に入ったからといって稼げるようになるかどうかは本人次第というのは大前提としても、教える人のやり方が自分に合うかどうかは別の話、とつくづく思います。
たしかに、月商7桁以上稼げるようになった、という人がたくさんいる起業塾もあるみたいで、そういうところは年間100万円くらいが相場です。再現性があって、稼げるようになるならば安いもんでしょう。
ただし、そのやり方が「自分が好きかどうか」「自分に合うかどうか」というのは別の話です。
商品はいらない、リストもいらない、という起業塾
世の中には「無料セミナー」というのが多数存在します。起業初心者で学びに投資できないうちは、この無料セミナーから学ぶ、という人が多いと思います。
マーケティングを知るとわかるようになりますが、この無料セミナーはバックエンドのメイン商品を知ってもらうための、お試しのようなもの。
たとえばフレンチレストランでいえばランチですね。お得なランチを提供して味や雰囲気、価値をしってもらい、ディナーに一度行ってみようかと思っていただく。ディナーが「バックエンド」でランチが「フロントエンド」です。これは世界中のトップマーケッターたちも行っている、王道のオンラインマーケティングです。
私も独立して初めて受けたのがこの無料セミナーでした。でも、「いちばん最初に出会う講師によって、運命は左右する」とつくづく思っています。
その講師は、プロダクトローンチというアメリカのジェフウォーカーが提唱する強力な集客&セールスを教える人で、実際に桁違いの収益を上げている生徒さんがたくさんいる人でした。
Facebook広告から流れてきた魅力溢れるクリエイティブに惹かれて無料セミナーに申し込み学んだのですが、「私にとっては」まったく意味がありませんでした。意味がなかったどころか、1年ほど時間を無駄にしてしまいました。
その講師は、「商品はいりません。なぜなら、顧客の悩みがわからないのに商品を最初から作ってはいけないからです」といい、「一度集客をして集めてしまいなさい。そしてその人たちが本当に求めるものを聞いてから作ればいいのです。用意するのは、最初の講義ひとつだけでいい」という説明でした。
そして次に「メールリストはリストじゃありません!心で繋がっていることが大切なのです!だからFacebookグループに集客し、そこで価値を提供していけば必ず商品は売れます」と。
私は長年、SEOやリストビルディングを仕事を通してやってきたので、強烈なインパクトでした。私がやってきたことが間違いだったのか、根底から覆されたような気がしました。
長年会社員としてやってきたものの、独立して起業するのは初めての経験でしたので、月商7桁以上収益を出している人を出している塾だし、再現性が高いのかと思い真剣にセミナーを受けました。
でも、最後まで「商品がないのに、競合調査とかポジショニングとか、そういうことは一切しなくていいのだろうか」とか、「商品がないのにまず集客すること自体、お客様に失礼なんじゃないのか」とか、そういう疑問はぬぐえませんでしたし、講師に質問してもただ同じことを繰り返すばかりで、納得できる答えはもらえませんでした。
また、メールアドレスはリストじゃないという説明も、私の中で納得がいきませんでした。Facebookグループに人を集めて、そこで価値提供をするということは、「永遠に、無料で価値提供をし続ける必要がある」ということです。たとえば、グループ内でライブをしたり、投稿したり。
講師が「まずは行動しなさい!行動しない人に成功はやってきません!」と言われ、たしかにそれには共感できたので、言われた通りに無料のFacebookグループを作り、毎週1回ライブ配信をして集客をしました。
ですが…私があれこれと同時にできない不器用さもあってか、ひたすら価値提供に終わり、なんだかエネルギーを吸い取られるような日々だったんです。毎週ライブをして人は喜んでくれるけれど、「無料」だから来ている人ももちろんいるわけで、彼らから悩みを聞いたり、困りごとを知って商品を作ろうとしたときに、「こりゃ無理だわ」と確信したんです。
なぜなら「人が求める高額の商品設計」がビジネス全体でもっとも難しいことだ、と確信したからです。とにかく難しいんですよ、商品づくり。
「リードマグネットと、松竹梅の商品を作りましょう!」と言われて、はいそうですかとすぐに作れる人なんていないと思います。だって、商品づくりにはやっぱりマーケティングが必須だからです。
どんなリードマグネットが必要なのか、PDFや動画を作りましょう、とか手段ではなくて、もっと根源的なもの。どんなものをPDFや動画にすればいいのか、というところで、まずつまづきます。
そして、松竹梅の商品を作りましょう!と言われても、何をどう作ればいいのか。たぶんこの記事を読んでいるあなたも同じなんじゃないでしょうか。
「梅30万円、竹50万円、松100万円」だって松竹梅ですが、これだと全部「バックエンド商品」です。
梅30万円の商品は十分高額なので、梅を売るための無料のリードマグネット、お試しのフロントエンドが必要になります。だから、こういう高額商品で松竹梅をつくると、最低でも6つの商品を作る必要が出てきます。
で、商品が作れたとしても、3つの高額商品をどう売るの?という問題、出てきますよね。
Facebookグループで人を集めてライブしてオファー、というやり方では、まず無理です。だって、たぶん1年にそれぞれ1回オファーして終わりじゃないでしょうか。
初心者にはまず無理です。でも、そういう説明をしてくれないから、皆混乱して「できない…」ってなるんです。
そして、他の起業塾も色々と調べましたが、私がやりたいと思っている「自動集客」を実践している講師は誰もいませんでした。だから、独学でやるしかないと覚悟して、海外のトップマーケッターたちにアクセスし、彼らのやり方を学び始めたところ、感動の嵐でした。
もともと、SEOの知識やホームページに集客するノウハウはあったので、それに加えて、再現性が高い自動集客方法を知る必要があった、そして留学経験があるのでなんとか英語が理解できる、ということはラッキーだったと思います。
本当に顧客のことを考えたマーケティングで、商品の作り方も目からウロコが落ちるように、ストンと理解できる。私が学ぶ先は、海外にしかない、と思ったんです。
One on Oneで個別コンサルから集客する方法
日本の場合、とくに高額商品を販売する場合は、One on Oneで個別コンサルをして販売する、というやり方が主流です。
「顧客が求める魅力的な商品は必要ですよ」という説明をする講師を私は信用できます。だからOne on OneでZoomでオファーし、成約するということも必要だなとは思うんですが、定期的に無料勉強会を開いてグループ勉強会にオファーし、そこで興味を持ってくれた方に、One one Oneでオファーする、という方法は、一度は経験しないといけないな、と思いました。
実際に顧客と話しながら彼らの話を聞き、本当に自分の商品がその人の役に立つと思えたら、オファーも自然なものになるだろうし、ゴリゴリ売る必要もありません。
ですが、私にとっての懸念事項は「とにかく忙しく、精神的に休まることがなさそうだ」ということでした。
私は働きたくないわけじゃありません。むしろ仕事は大好きです。仕事にアイデンティティを求めるくらいです。
仕事で活躍している人に憧れるし、自分もそうでありたいと常々思っています。
でも、朝から晩まで毎日仕事をして、「個別オファー」をやらなければ集客も収益もストップしてしまうのでは、私が理想とするライフスタイルは送れないと思ったんです。
私が理想とするライフスタイルは、「来月の収入の心配をせず、安定した収益が毎月あがり、時間的にも精神的にも物理的にも自由を感じられる」というものです。1年に3ヵ月、外国に暮らしてその生活を発信し、「そういう生き方が誰にでもできるんだ」と、必要な人に伝えたい、というのが私のビジネスの原動力です。
そして、私の理想のライフスタイルを実現するためには、「仕組み化と自動化」以外にありませんでした。それをやっている人は、日本にはほとんどいません。
私はSEOの集客ブログで、毎月30万円から80万円くらいの自動収益化を実現した経験があるので、ブログ集客に力を入れてやっていこうと思っているのですが、日本にはそのシステムがないのです。
自動集客システム
仕組み化と自動化は、テックの知識がないとできません。ですが、私は20年近くWordpressを使ってきて、自分でPhotoshopで作ったオリジナルデザインからWordpressテーマを作る、ということを経験していましたし、エンジニアではないけれど、一般の人よりはWordpressを理解していると思います。
そして、「こんな仕組みを作りたい」というアイデアがあったら、そのアイデアを実現するプラグインを選び形にすることができるレベルのスキルがありました。
ですから、私は他の誰もやっていないWordpressを集客とセールスができるオンリーワンプラットホームにしたい、という願いから、その方法を海外のマーケッターから情報をもらい、そのシステムを作りたい、と思ったのです。
顧客への課題
ただし、もし私がそのやり方を自分の顧客に教えようと思った時、「どうやったら誰でも簡単にできるだろうか」と悩みました。
なぜなら、やはり最低限の設定とか、使い方を覚えてもらうとか、いろいろなハードルはあるわけです。
なので、私が教える相手は、「マウスの使い方がわかりません」とか「PDFのダウンロード方法がわかりません」という人は理想のお客様にはなりえないと思いました。そこから教えると私自身が疲弊してしまうし、もっと素晴らしい、もっと価値ある内容を知りたいと思っているお客様に提供できなくなるからです。
これが「ペルソナを決める」ということなのだ、と自分の体験を通してわかりました。
みんな、「簡単ですぐにできるもの」を欲しがっている
ですが、私の周りの集客に悩んでいる起業家さんたちは「簡単ですぐにできるもの」を欲しがっている人ばかりでした。
その上「お金はそんなにかけたくない」という人がいかに多いか。
私は自分でこれまで仕事をしてきて、「簡単にすぐにできるもの」は存在するけれど、「簡単にすぐにできるようになるまでに、絶対に努力と泥臭い作業が必要」ということを経験して知っています。
私からすると「勉強は嫌いです。でも東大に入りたいです」と言っているようにしか聞こえないのです。
でも、マーケティングの本を読むと必ず「簡単、早い、再現性がある」というものを人は求めている。だからそういうキャッチコピーを作れば売れる、と書いてあるんですよね。
わかっちゃいるけれど…「お金を払ったんだから、確実に稼げるようになるんでしょ?」というスタンスの顧客は、「勉強はしたくないけど東大に入りたい」という傾向が強いので、「そりゃ無理ですよ」となります。「大丈夫、できますよ!」なんて嘘はつきたくないし、後から「稼げなかったじゃないですか!」なんてクレームをつけられるのも嫌です。
ですから、「誰を理想のお客様にするか」というのはとーーーーっても大事です。
私は、どんなに今、全然稼げていなくても、どんなに知識がなかったとしても、必死で食らいつき「絶対に最後まで頑張る!」という気持ちでいる真直ぐな人、そして自分自身で努力をしている人をサポートしたい。
成功するしないは、本人が行動しないかぎり、どんなに素晴らしいと言われている起業塾に入ったところで結果は同じ、ということを私は知っているからです。
でも、やらない人が本当に多いんです… たとえば、SEOの集客ブログは「100記事」が最低ラインなんですが、100記事なんて書けないと諦めてしまう人や、「他にもっと簡単な方法があるはず」と「簡単、早い、誰でもできる」を探し求めてセミナージプシーを続ける人。
でも、「ブログなんて集客できない」と言っている人は、世界からぐーんと遅れまくった日本のマーケティングしか知らない人です。海外のマーケティングでは、SEOブログは起業したての1年生でも当たり前にやること、というくらい浸透しているものです。
努力せずに誰でも簡単にできるものが本当にあるのなら、日本中の会社員はさっさと会社をやめて起業すればいいって話です。でも実際は、起業しても年商100万円にもみたない人が全体の7割という数字が調査から出ている現実を考えると、ビジネスの原理原則を避けてはいけない、とつくづく思います。
ただ、「努力しないとできない」というとみんな「うへえ」ってなるのはわかります。
ですから、それ以前に大前提として「あなたが没頭できる大好きなこと」を仕事に選んでください、とお伝えしています。
大好きなことなら「努力」と感じなくなるからです。大好きなことで誰かを助けたい、役に立ちたいという気持ちが先行し、仕組みづくりも楽しいものに変わるはずだからです。
無料動画プログラム
講座ビジネスでしっかり売れる仕組みをつくる
ブランド戦略3つのステップ